
酸素バーや酸素カプセルなどというものを、耳にされたことのある方も多いのではないでしょうか。
最近ではコンビニなどでもボンベ式の酸素吸入器が置かれるようになり、家電売り場では小型の家庭用高濃度酸素吸引機が出回るようになってまいりました。 一昔前までは水と空気はタダというのが当たり前でしたが、今ではペットボトル入りのお水を買うことが当たり前になり、 浄水器を取り付けていらっしゃるご家庭も珍しくありません。
ここでは、最近になってなぜわざわざ酸素を供給しなくてはならなくなったのか、高濃度酸素吸引の必要性と役割について、 また人体と酸素の基礎知識を少し確かめてみましょう。
酸素セラピーとは、酸素バーなどで使用されています機械と同じものを用いまして、マッサージや鍼灸治療などを受けながら、 同時に高濃度酸素吸引を行えるようにしたものです。
酸素の吸収効率からいいますと、酸素カプセルの方がとても機能が高いのですが、なにぶんお客様がカプセルの中に入ってしまわれますと、 我々の本職であるマッサージや鍼灸を行うことができなくなってしまいますため、当治療院では酸素バータイプの装置を採用しております。
具体的に比較し数字を取っているわけではありませんので、客観的なデータを示すことはできませんが、 マッサージと高濃度酸素吸引を組み合わせることにより血行促進効果が上昇し、通常より顕著に筋肉や神経の高いリラックス効果が得られております。
ちなみに「酸素セラピー」とは、ほがらかな治療院で勝手につけてしまった造語です。 ほかで別の意味で使用されている可能性もありますが、あまり気になさらず聞き流していただければ幸いです。
私たちの生活している大気中の酸素濃度は現在20.9%ですが、江戸時代の大気中には酸素がなんと38%もあったといわれております。 しかし国立環境研究所の観測によると年々酸素濃度は減少しているそうです。ではなぜこの短期間で地球上の酸素濃度が低下してしまったのでしょうか。
そうです、ここ百数十年の間に急激な成長をとげた世界的な工業化により、石油や石炭などのいわゆる化石燃料を大量に燃やしてしまっているためと、 森林の減少と砂漠化の拡大などによる緑地の減少などいろいろ考えられます。近年地球温暖化が世界的規模の問題となっておりますが、 その主な原因として指摘されております温暖化ガスの二酸化炭素の増加に伴い、大気中の酸素量が減少しているのです。 地中から掘り出した石油や石炭を燃やして発生する二酸化炭素(CO2)は酸素(O2)と炭素(C)が結合したものです。
つまり二酸化炭素が一つ増えると、酸素が一つ減ってしまうわけです。二酸化炭素を酸素に戻してくれる森林が急激に減少しているのも大きな問題なのです。
さらに首都圏など都市部で生活する我々にとっては、自動車の排気ガスなどに多量に含まれる、 一酸化炭素(CO)や窒素酸化物(NOx)が酸素の供給を阻害してしまっています。
呼吸により体内に取り込まれた酸素は、肺で血液中の赤血球に取り込まれ、全身に60兆個もあるといわれる一つひとつの細胞すべてに運ばれていくのです。 しかし排気ガスなどに多く含まれる一酸化炭素や窒素酸化物は、通常の酸素より赤血球の主要成分であるヘモグロビンとの結合力がはるかに高いため、 酸素とヘモグロビンの結合を妨害してしまっているのです。
一酸化炭素のヘモグロビンとの結合力は、酸素の300倍以上も高いといわれ、 酸素が取り込まれる前に赤血球を独占してしまうため、空気中にわずか0.01%存在するだけで生命の危機にかかわるのです。
また窒素酸化物がヘモグロビンと結合してしまいますと、メトヘモグロビン血症となり赤血球に酸素が取り込めない状態となってしまいます。
ただでさえ年々酸素濃度が低下しているうえに、都市部では排気ガスなどの大気汚染の影響により、 酸素の摂取能力も低下させられていることが明らかになってまいりました。
| 酸素濃度 | 症状 |
|---|---|
| 19% | 息苦しさを感じる。 |
| 18% | 酸素欠乏症の危険領域。 |
| 16% | 頭痛、耳鳴り、吐き気、集中力低下 |
| 14% | 脈拍・呼吸数の低下。判断力低下 |
| 12% | めまい、筋力低下。 |
| 10% | 幻覚症状、意識喪失、嘔吐、 顔面蒼白 |
| 8% | 中枢神経障害、痙攣、昏睡。 |
| 6% | 失神、呼吸停止 |
最近のオフィスやマンションは気密性がたいへん高くなっていますが、定期的に換気を行わないまま大勢でいますと、 当然室内の酸素濃度は低下してきます。満員の通勤電車の車内などもかなり酸素が薄くなっているそうです。
締め切ったオフィスなどの空間で大勢の人たちが一日中仕事をしていると、はたしてどうなるでしょうか。 通勤電車内やオフィス・ワーク中に、息苦しさを感じたり、頭がボーッとしたり、集中力が低下するなどという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
すべての原因が酸素不足によるものとは言い切れませんが、その可能性を否定することもできません。
空気中の理想の酸素濃度は30%前後だといわれております。現在の酸素濃度が20.9%で、人体が正常に機能するためには最低18%の酸素が必要とされています。
私たちは毎日約2000リットルもの酸素を消費しているそうす。 生きていく上で欠かすことのできない酸素ですが、いったい身体の中ではどのようなことに使用されているのでしょうか。
| スポーツの種目別必要酸素量 | |
|---|---|
| トライアスロン | 70〜94cc |
| 長距離走 | 65〜85cc |
| 漕 艇 | 58〜75cc |
| 自 転 車 | 55〜70cc |
| スピードスケート | 50〜75cc |
| アイスホッケー | 50〜60cc |
| 遠 泳 | 48〜68cc |
| 機械体操 | 48〜64cc |
| フットボール | 45〜64cc |
| 野 球 | 45〜55cc |
| テ ニ ス | 42〜56cc |
| ※男性の1分間につき体重1kgあたりの酸素量 | |
激しいスポーツや長時間の運動をすれば通常より大量の酸素を消費することは、あらためて説明するまでもなく皆さんご存知のこととおもわれますので、 ここではちょっと見方をかえて、筋肉の酸素貯蔵能力についてお話させていただきます。
実は筋肉内にはいざという時のために、大量の酸素を貯めておくという能力があるのです。 手足を動かすための骨格筋には瞬発力のある白筋と、持久力のある赤筋の二種類があります。
分かりやすく申しますと、普段はジッとしていて餌や敵が来たときに瞬間的にすばやく動く白身のお魚などが白筋の代表で、 マグロなどの回遊魚のように一生動き続ける赤みのお魚などが赤筋の代表と思って頂ければ結構です。
そして酸素を大量に貯蔵できるのは、持久力に優れた赤い色の筋肉なのです。
筋肉内に大量の酸素を貯蔵するためには、ミオグロビンと呼ばれる色素蛋白質が大きな役割を担います。 ミオグロビンは、血液中で酸素運搬の主役である赤血球のヘモグロビンとよく似た機能を持っておりますが、 その酸素を取り込む能力はヘモグロビンより高いため筋肉内への酸素の蓄積が可能となるのです。
ちなみに水中で活動するイルカやクジラ・アザラシなどの筋肉内には特に豊富に含まれているそうです。
では筋肉内に酸素を貯蔵しておくと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
それは必要なときに素早く酸素を供給できることにより、筋肉内のエネルギー源であるグリコーゲンを効率よく燃やすことができるため、 長時間運動を続けるために必要な、持久力のもととなるスタミナが続くのです。
これが先ほどお話した持久力に優れた赤筋の秘密なのです。エアロビクスとも呼ばれる有酸素運動には、この酸素を多く貯蔵した赤い筋肉が使用されているのです。
以外に思われる方も多いでしょうが、我々人間の頭脳はかなりの酸素を消費しています。 体重のわずか2%の重さしか占めないにもかかわらず、毎日呼吸する酸素の25%もの量を脳がひとりで消費してしまいます。
酸素を運ぶための血液の量も毎日2000リットルも運ばれてくるのです。つまりほかの臓器とは比べものにならないほどの酸素を必要とします。
筋肉などとは違い脳は酸素を蓄えておくことができませんので、酸素欠乏状態になると真っ先に影響を受けてしまうのは、この脳なのです。
ましてや心肺停止の状態で酸素の供給が一時的にも止まってしまうと、まず最初にダメージを受けてしまうのも脳細胞です。 しかも脳細胞を含めた神経細胞は一度損傷するともう二度と再生されることはありません。
面白いお話ですが、代々木ゼミナールと名古屋工業大学が2006年に行った共同研究によりますと、 高濃度酸素吸引を行ったネズミの神経細胞や、記憶に関係する脳内遺伝子が活発化することが確認されました。 神経細胞の情報伝達を促進する遺伝子や記憶蛋白質を作る遺伝子が活性化し、関連蛋白質が合成されるのを確認したのだそうです。
またゼミナールの学生達を使った実験でも、高濃度酸素吸引後の記憶力が、吸引をしなかった人達に比べて約15%上回り、 中高年者を対象に意味のない単語の記憶試験を行ったところ、同様に約17%の正解率の上昇が確認され、 さらにネズミを使った迷路試験でも同様の結果が得られたそうです
脳に十分な量の酸素が行き渡らなくなると、自律神経やホルモンバランスに影響が及び、 自律神経失調・うつ症状、集中力や思考力・記憶力の低下、頭重感、モヤモヤやイライラ、睡眠障害などの症状が現れるおそれがありますのでご注意ください。
| 基礎代謝のエネルギー消費量 | |
|---|---|
| 筋 肉 | 53.3% |
| 肝 臓 | 23.3% |
| 脳 | 13.3% |
| 心 臓 | 3.3% |
| その他 | 6.8% |
ひとことに代謝といいましても、古い細胞を新しい細胞に作り変える新陳代謝、 何もしていなくても体温の維持や消化などの生命活動に最低限必要な基礎代謝、 さらに基礎代謝に日常生活上の活動に使用されるエネルギー量を合わせた実質代謝があります。
いずれにおいても酸素が不可欠であることは明かなのですが、 ここでは日常生活において消費エネルギーの60〜70%を占めるといわれる基礎代謝について述べていくことにいたします。
日本人の基礎代謝量は1200〜1800kcalといわれておりますが、これはもちろん年齢や性別・体格などにより変化してきます。 男性の場合体重1kg当たり24kcal、女性の場合体重1kg当たり22kcalともいわれておりますが、 正確には呼吸の際の酸素消費量と二酸化炭素排出量により計算されます。その他にも様々な計算方法がございますが、ここでは省略させて頂きます。
我々の身体に60兆個もあるといわれる全身の細胞を養うために、基礎代謝において消費されるエネルギーの大部分が、体温維持のための熱産生に使われています。そして基礎代謝で使用されるエネルギーは全て食事により摂取した糖質・脂質・蛋白質などを、 呼吸により吸収した酸素を使用し燃焼させることで得られています。
そして2000 kcalの食物を全てエネルギーにするには約500の酸素が必要といわれているのです。薪や炭に火を起こす際に風を送ると良く燃えことと同じで、燃焼させエネルギーを得るためには酸素が必要になるのです。
一見なんにも関係なさそうに思えますが、体内でアルコール(C2H2OH)を分解するには実は大量の酸素を消費しているのです。
飲酒により摂取されたアルコールはまず酸化によってアセトアルデヒド(CH2CHO)に分解され、その後肝臓の分解酵素の力により酢酸となり、 最終的には二酸化炭素と水に完全分解されます。この過程でアルコール1分子を完全に分解するために3分子の酸素を消費してしまいます。
ここで酸素量が不足してしまいますと、中間代謝物質であるアセトアルデヒドがいつまでも分解されずに身体内にとどまることとなってしまいます。 このアセトアルデヒドという物質は非常に毒性が高く、いわゆる二日酔いの症状である頭痛や吐き気などの原因となってしまうのです。
エタノール(C2H2OH) + 酸素×3(3O2)
↓
二酸化炭素×2(2CO2) + 水×3(3H2O)
煙草の煙には4000種類にもおよぶ有害物質が含まれているといわれていまが、 その主なものはニコチン・タール・一酸化炭素・シアン化水素、そして刺激性粒子状物質などがあります。
なかでも一番問題なのはやはり一酸化炭素です。煙草の煙に含まれる一酸化炭素の量は自動車の排気ガスに相当する濃度があり、 環境基準をはるかに超える値となっています。前にも述べましたが、一酸化炭素のヘモグロビンとの結合力は酸素の300倍もあり、血液中に酸素を取り込む前に赤血球を独占してしまうのです。
非喫煙者では一酸化炭素と結びついているヘモグロビンの量は血液中の2〜3%といわれておりますが、 これが一日20本程度の喫煙者の場合、喫煙前でも3〜6%であり喫煙直後には10%を超えてしまうそうです。
もう一つの大きな問題はニコチンです。ニコチンは心拍数を増加させてしまい、心筋で必要以上の酸素を消費させてしまいます。 ニコチンはさらに血管の収縮を起こすため、当然血流が悪くなり酸素の供給能力が低下してしまうこととなります。
その他にもタールが肺や気管支に付着してしまいますと、真っ黒になってしまい肺でのガス交換の効率を著しく妨げてしまいますし、 刺激性粒子状物質は気管支を収縮させてしまいますので、呼吸量が低下するため当然酸素の取り込み量も減少させてしまいます。
このようなことから喫煙者の多くが慢性的な酸素不足状態であることが指摘されております。
近年このような理由から、プロスポーツ選手の間で禁煙は常識となってきております。
ここでは酸素の重要性について、野口英世博士をはじめとした実績のある医学者たちの残した言葉をご紹介いたします。
幅広い分野の方々が酸素の重要性について述べています。
活性酸素ときくと、いっけん「活性化した酸素なのだからとても良いのでは?」という印象も受けますが、実際はちょっと危険な存在でもあります。 通常の酸素分子ととても似ているのですが電子配列がちょっと違うため非常に不安定で、酸素の1000倍もの強力な酸化力を持っているのです。
この活性酸素の持つ強力な酸化能力は、殺菌効果が高いため、外から入ってきた細菌や微生物を退治するための免疫反応に利用されていますが、 反面自分の細胞を傷つけてしまう恐れもあります。自分の体が酸化されてしまわないように、ちゃんと活性酸素を無害化する抗酸化酵素が人体には備わっております。
かつて老化は活性酸素が細胞を酸化させてしまうことが原因であるという説もありましたが、 2005年に東京大学・ウィスコンシン大学・フロリダ大学の共同研究チームにより、活性酸素は老化には関与していないという研究結果が発表されたそうです。 そのほかにも活性酸素は生活習慣病などの様々な病気の原因ではないかとの研究がおこなわれていますが、確証はまだ得られていないようです。
活性酸素の発生する原因は、紫外線やレントゲンなどの放射線、そのほかストレスや喫煙・食品添加物・激しい運動といわれており、 呼吸によりたくさんの酸素を吸ったからといって、活性酸素が多く発生するということはありません。名前は似ていますが別の物質であるとご理解ください。
酸素中毒ときくと、高濃度酸素吸引のやり過ぎで禁断症状でもでてきそうな、何か恐ろしい印象を持ちますが、 ちまたにある酸素バーや酸素カプセルのような設備で酸素中毒になることはまずありえません。
酸素中毒はスキューバ・ダイビングなどのような潜水中に高分圧の酸素を、長時間吸入し続けるためにおこるものです。
したがって通常の地上の気圧下で高濃度酸素吸引を行っても酸素中毒になる心配はまずございません。 通常の大気圧下でも100%の純酸素を24時間以上吸い続けると酸素中毒になることもあるようですが、 医療施設や研究施設でもない通常の環境で一般人がそのような無茶しようとしてもできるものではありません。
酸素中毒で問題となるのは潜水中などの水圧のかかる特殊な環境での、圧縮され高圧になった酸素での呼吸であり、 酸素分圧と深度に応じた潜水時間の調整を誤った場合に生じてしまいます。
酸素中毒の症状としては、脳が障害され全身に激しい痙攣が生じ、最悪の場合は死亡してしまうこともある急性症状と、 肺が障害されて起こる胸部の痛みや圧迫感、呼吸困難などの慢性症状に分けられます。
余談ですが、スキューバ・ダイビングで一般的に使用されている酸素ボンベには、高濃度の酸素が入っているのではなく、 普通の地上の空気を圧縮して詰めているそうです。
ほがらかな治療院のマッサージの考え方や、整体や指圧との違い、簡単なマッサージの歴史などをご紹介いたします。
マッサージ以外にも鍼灸治療も行っています。興味がありましたら、ちょっとのぞいてみましょう。

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